夢・希望を育む教育のデザイン (改 -JEDIー)

第61回 イノベーティブ・セミナーへのご参加ありがとうございました!

10月19日(月)に開催した「第61回イノベーティブ・セミナー」は、40名弱の方々の熱気に満ちた雰囲気の中で盛会に終了することができました。ご参加くださった皆様にお礼申し上げます。

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セミナーでは、講師の中村先生から「発達に課題のある成人の就労支援」という仕事を通して義務教育段階でどのような配慮をして指導や支援をしていけば良いのか、次のような具体的なご指導をいただきました。(当日の資料から一部抜粋)

◆知的な遅れを伴わない発達障害者の就労支援とは
・自分と向き合うこと
に寄り添う(自身を肯定的に見つめることを支える)

・「未学習・未経験」と「特性上の苦手さ」の見極めを共に行う
・「自分でできること」と「人に頼ること」を明確にし、それが自分にとって大切である
ことを学ぶ機会を提供する
・成功体験を積む中で自己理解を深める機会を提供する

◆後片付けができず、集団活動が苦手なA君
・どのように子どもを捉えるか?
子どもの見せる姿が現在の状態に至るまでの根本的な“原因と過程”を知るこ
とが、子どもの理解と効果的な支援につながる
・片付けのできないいい加減な子??
・刺激の受け止めが苦手で選別ができない
・身体の感覚が幼く、安定感を感じにくい

◆集団の中で「できた」という体験を
1.誰でも分かる簡潔な指示(共通言語をつくる)
2.自発的なアクセスが可能な情報提示(いつ何を見るのかを明確に)
3.クラス目標・ルールの具体化(頭に残りやすい工夫を)
4.身構えることの意識化・習慣化(呼吸を合わせる練習を)
5.あと一歩の達成目標の設定(「これならできそう」を抱かせる)
6.安心とやる気を生む見守り(承認と後押し)

61photo上記のご指導は、明日の教室、明日の授業で使えるものばかりです。また、その他にもたくさんのヒントを講義を通していただきました。

参加された方々からたくさんの感想をいただきました。その一部を紹介します。

感想A
今日は具体例をたくさん聞かせていただき、大変に勉強になりました。ありがとうございました。日々向き合っている子どもが、自己理解していたらこんなふうになるなど、考えさせられることが多くありました。先のことを考え、、将来に向けての子どもの支援の大切さを実感しました。
あいさつ一つでも、認めてあげられるという、毎日の小さな当たり前の気づきを大切に、今後も子どもの将来のために頑張りたいと思います。

感想B
発達障害の生徒をスムーズに就労につなげていくことは、困難さがあるのかもしれませんが、就労に向けた支援として、認めてくれる人がいること、その人の特性や適性を理解し、マッチさせてあげることが大切なのだと言うことが分かりました。
社会に出て困らないような力(ライフスキル)を身につけさせていくことが、これからは大切にしていかなければならないなあと改めて痛感しました。

感想C
中村先生は、特別支援教育や通常の学校を卒業したあと、どのような道があり、卒業前に何をしなければならないのかをわかりやすくお話しくださったので、とても勉強になりました。
最近、他の研修でも発達障害者の就職が大きな問題になっています。来年4月より障害者の法定雇用率が上がるということで、超売り手市場にも関わらず、発達障害者だけは就職が難しいそうです。今回は、小中学校の先生にも就職に関して考えていただく、とても良い機械になったと思います。
次回以降の演目もとても興味深いものでした。また、熱心な先生方が集まっていることが素晴らしいことだと思いました。これからもHPをチェックし、是非参加させていただきたいと思います。運営の先生方、良い研修をありがとうございました。

多くの先生方の参加をいただき、盛会のうちに第61回イノベーティブ・セミナーが実施できたことに、事務局より感謝申し上げます。

次回は、11月12日(木)立教大学教授 大石幸二先生の講演を予定しております。是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。