夢・希望を育む教育のデザイン (改 -JEDIー)

教育に対する信頼を取り戻せるか?


「怒!」「不信!」

この言葉こそ、困難な状況に苦闘しながら教育現場の最前で頑張っている先生方の気持ちを表している言葉はないのではないでしょうか。
文部科学省の事務次官が2代続けて不祥事で辞職しました。新学習指導要領の小学校での完全実施まであと一年余という時期に、その範を示すべき文部科学省の事務方トップが起こした、極めて情け無く、無自覚な不祥事に、文科大臣の「極めて遺憾」という言葉で納得できる教師は何人いるのでしょうか。

そしてこの事件は、これからの教育の方向性やその価値を示し、新学習指導要領の履行を求めている「文部科学省」という行政組織が、これほどいい加減な組織だったということが明らかになった瞬間でもあります。(「道徳教育」は必要なのは文科省の役人ですよね!)

さらに私は、文科省のこの事件を伝えているニュース映像に写っている事務次官や局長のインタビューに答える姿に、心から反省しているという印象を感じることはできませんでした。「怒り!」「背信!」という言葉が心に浮かんできたのは、「こんな人たちが教育行政のトップだったのか」という虚しさです。文部科学省が示し履行を求めてきたさまざまな施策や、学習指導要領に示されているこれからの教育の方向性や取り組むべき内容を信頼し、その履行に真剣に取り組もうとする教師への背信であり、失った信頼はとてつもなく大きいように思います。

日大アメフト部の事件、ボクシングや体操の組織で起こっているパワハラ事件など、教育の現場(次代を育成する場)で起こっているさまざまな事件の多くは、「これまで」が通じない時代がすでに到来して久しいにもかかわらず、そのことに気づかないまま「これまで」(既得権益の保持ができていた時代)を追い求め、自己の地位を保持しようとしている指導者(権力者)の姿があります。

インターネットやSNSを多くの人々が普通に使う時代に、これらの事件は、「これまで」を支えてきた組織や制度・仕組みが、ネットワークを通じて「これから」の時代には通じないことを示しています。そしてそのような状況は文部科学省だけではなく、県教育委員会、市町村教育委員会にも大きな影響を与えるようになります。

教育現場を一見大切にしているような施策が、実は行政組織のしがらみに翻弄され、子供や学校の実情を踏まえていないにもかかわらず、施策の実現が使命と思っている教育委員会が、議会に説明するために必要な施策であったり、教育長を筆頭とする行政機関の実績づくりだったということはこれまでにも多々あったことです。

しかし、そのような状況にあっても、教育の最前にいる先生方は、心から学ぼうとしている子どもたちを前にして、全身全霊で教育に対峙してきました。これまでの教育を変革し、これからの教育を創造するために、

「声を上げましょう!」「これはおかしい!」と!

「これまでの教育」を打破し、「これからの教育」を創造するために、「子どもたちの未来を担っている」という教育への熱い思いを伝えていきたいと思っています。