夢・希望を育む教育のデザイン (改 -JEDIー)

強い思いと努力で復興-稲森和夫氏のコメントより-


京セラ名誉会長の稲森和夫氏が、「強い思いと努力で復興」というタイトルで戦後70年を語っています。(讀賣新聞平成27年1月4日)

戦後、焼け野原の中で、貧しい人々がひしめきあい、生きていかねばならなかったことや、もっと豊かになりたいという強い思いが、日本人には強くあり、そんな人々の思いと戦後復興の中で、稲森氏は京セラを創業し、誰にも負けないほど努力したという。

日本人の器用さと、何とか国を伸ばしたいという思い、それを実現するための努力が重なり、日本は世界第2位の経済大国になりました。しかし、バブル経済が崩壊し、約25年の間、成長は止まったままというより、格差が拡大し、さまざまな課題が山積しています。

稲森氏は、「ゆでガエル」の逸話を例に上げながら、次のように述べています。

カエルは熱い湯に入れると飛び出していくが、水を徐々に温めても温度の変化に気づかずじっとしている。ぬるま湯の中で育った人は、終戦直後のような苦労を知らず、現状を打破しようという強烈な思いを持つことがない。頭脳は優秀でも、そういう人たちが指導者層になった結果、停滞している現状を招いているのではないか。

このことは、教育世界においてもいえることのように思います。経済の右肩上がりの成長期に構築したこれまでの教育システムに慣れきっている状況はないか、教育は「ゆでガエル状態」になっていないかを検証しなければならなりません。

稲森氏は、次のようにも述べています。

世界市場では新興国が台頭し、国内では少子高齢化が進む、安住していては駄目になってしまう。「みんなでがんばろうやないか」。国民全体から声が上がることを期待したい。      ・・・・・・・・ 中略 ・・・・・・・・
世界で貧富の格差が問題になっている。ますます思いやりや礼儀正しさといった日本人が持つ良さが称賛される時代が来ると思っている。

これからの教育においては、稲森氏が指摘するように、子ども達が「日本人の良さ」を身に付けることを大切にしながら、格差を乗り越え、「みんなで頑張る」ことをめざした若者を育成することが重要だと思います。

そんな教育の世界を実現することをめざして、JEDIの活動を続けていければと思っています。