日本教育デザイン学会 ーJEDIー

新学習指導要領を読み解く(1)


 新学習指導要領が告示されてから、半年が過ぎました。本年度は「新学習指導要領の周知の年」として位置づけられ、夏休みには全国各地で「新学習指導要領に関する『説明会』や『伝達講習会』」が開催され、各学校での情報交換や研修も始まりました。

 しかし、新学習指導要領に関する学校での論議は、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)や、「カリキュラム・マネジメント」などのトピック的なキーワードにばかり注目が集まり、今回の学習指導要領の改訂の背景や、現在の教育が抱えている深刻な課題や、未来に対する危機感を理解し共有するまでには至っていないように思います。

 新学習指導要領は、10年後(2030年)の世界で活躍する子供たちに求められるであろう資質・能力を想定し、今育てておかなければならない「力」を、
 ①「何ができるようになるのか」
 ②「何を学ぶか」
 ③「どのように学ぶか」
という三つの視点から明らかにして、学校教育においてその基礎を育成しようとするものです。したがって、新学習指導要領だけを読み込んだのでは、改訂の本質を理解することはできません。改訂までの経緯や、改訂に向けての現状認識、改訂への中教審委員の先生方の思いや願いなどを十分に理解した上で、新学習指導要領に基づいた教育を展開していく必要があります。

 そこで、今回は「新学習指導要領を読み解く」と題して、平成28年12月21日に中教審から出された、

を読み解き、その内容を図解しながら、新学習指導要領の本質に迫ろうと思います。

 答申の目次を見てもわかるとおり、「第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性」を確実に理解した上で、各教科等の指導に当たらなければならないのです。