日本教育デザイン学会 ーJEDIー

今日の教育が抱えている「困難」

私たちは、子ども達のために「これからの教育」をどう進めていけばいいのでしょうか?

学校は、社会や教育施策が抱えている多くの課題の縮図のような状況を呈しています。次々と押し寄せてくる教育課題に必死に対応しながら、「これまで」をなんとか維持しようと努力はしていますが、目先の「教育成果を上げる」という圧力に押し込まれ、残念ながら「次代を担う人財の育成」という教育の目的は、教師や教育者(教育為政者)の意識からは遠のいてしまっています。

ここに、今日の教育の危機があります。

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日本の教育は、時代の大転換点の中で、「これまでの手法で、とにかく何とかしよう」という勢力と、劣勢ではあっても「これまでの手法にとらわれず、新しい発想で新しい教育を創造しよう」という勢力とのせめぎ合いの中にいます。

残念ながら、誰もが「現状を追認することはできない」と思っているにもかかわらず、明確な解決策を見い出せないことから、「とりあえず現状を追認する」といった傾向が大勢を占めているのが現実です。

これからの教育を考えるとき、現状をしっかりと認識するだけではなく、今日のような教育の厳しい状況を生み出している「原因」を注意深く探り、根本的な解決策を講じなければなりません。

今日の学校教育を、上図に示したように、「社会が抱える問題」「教育が抱える問題」「学校が抱える問題」という視点から分析してみてはどうでしょうか。すると、今日の危機的な状況は「学校教育」だけでは解決できないことは自明です。
効率化と統制を軸とした教育を推進した結果生じてしまった教育課題を、効率化を一層高め、統制を強化することで解決することなどできないのです。それは、これまでの教育施策が生んでしまった教育課題を、これまでの教育施策を強化することで解決しようとする愚挙に他なりません。

その一方、知識基盤社会への移行という時代の変遷は、否応なく教育の変革を求めています。多くの先進国が、「21世紀型能力」を定義し、その育成に邁進し始めています。これからの時代は、「思考力」を中核的な能力とし、それを支える「基礎力」と、考え抜いた未来像を実現するための「実践力」が求められているといわれています。

「教育が抱えている困難」の原因を一義的にとらえるのではなく、時代の変遷という大きな流れの中でとらえ、その解決策を探る能力が、今日の教師や教育為政者に求められています。