夢・希望を育む教育のデザイン (改 -JEDIー)

先人たちの息吹を受け継ぐ!


「学校経営の本質と課題」-1-

「松下村塾」(山口県萩市)が世界遺産に登録されました。
松下村塾は、吉田松陰が主宰した塾で、多くの若者が集い、学び、志を培った場所です。そして、松下村塾からは明治を創った伊藤博文、山形有朋など多くの人財が輩出されました。

残念ながら吉田松陰は明治という時代を見ることもなく斬首されてしまいますが、その思いや志は多くの門下生に受け継がれ、命がけの改革が展開され、明治という時代が始まります。

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明治という時代は、我が国の人口が急増し始めた時代であり、多くの大人が子供たちの育成・教育に力を注いだ時代でもあります。

上の写真は宮城県登米市に建設された「旧登米尋常小学校」の写真です。木造の総二階建の中央にある白く塗られたベランダから校舎の全景を見渡すと、「明治の時代」の人々の息づかいや教育にかける熱い思いを感じることができ、言い知れぬ力が湧き上がってくるのを覚えます。

さて、国を思い、子供たちの豊かな未来を願いながら、明治時代の人々が教育にかけた思いや願いを私たちは受け継いでいるはずなのですが・・・

明治維新から約150年後の現在、教育は多くの課題を抱え、その解決に苦慮しています。それは、危機を前にした「平成の時代の人々の教育への息づかい」が問われているともいえます。

「あなたはどのような学校を創りたいと思っているのですか?」と問いかけられたとき、私たち教育に携わっている者は何と答えるのでしょうか。
「どのような子供を育てたいと思っているのですか?」と問いかけられたとき、何と答えるのでしょうか。明確な目標を持ち、目標を共有し、一丸となって未来に向けて確かな一歩を踏み出しているといえるのでしょうか。

大人達(教育に携わる者)の「教育や子供たちへの熱い息づかい」が、「経営」という言葉に結実し、教育が確かな成果を上げることができなければ、子供たちの未来は危ういものになってしまいます。

混沌とした時代だからこそ、未来を展望した「経営」という言葉がいつになく重要な意味を持っているのです。そして、未来創造は当事者意識をもった教師が先陣を切らなければ達成することはできないのです。