日本教育デザイン学会 ーJEDIー

多忙感? -真の課題は?②-


「多忙感」の真の原因は、「徒労感」ではないか・・・?
でも、「多忙感や徒労感」は、その仕事に携わっている人々が「やりがい」を抱いていれば、多くの仕事上の困難があっても人々は乗り越えていける・・・?

そんな思いを、栃木県教育委員会が実施したアンケート調査は示してくれています。

そこで今回は、
   「人々はやりがいがあり、その仕事が尊敬されていればがんばれる!」
という例を紹介したいと思います。

みなさんは、「テッセイ:TESSEI」という会社をご存じですか?
これだけでは会社のイメージはわきませんよね。

では次の写真はどうですか?
tessei1

新幹線ホームに列車が到着すると、列車の清掃をしてくださる従業員の方々が勤務している会社が「TESSEI:株式会社JR東日本テクノハートTESSEI」です。
わずか12分の停車時間。清掃に使える時間はわずか7分。その時間内で列車内のごみを集め、清掃することを請け負っている会社です。

「清掃」は決して楽な仕事ではありませんが、社員の方々の働きぶりに接すると、思わず「ありがとうございます」と言ってしまいたくなる人は多いのではないでしょうか。

でも、どうやったらそんな会社を創ることができるのでしょうか?

残念ながら、私たち教育関係者は、「経営」を基礎から学んだことなどほとんどありませんから、経営という言葉を聞くと、学校教育に携わっている管理職層が担うべきもので、その要諦は「管理・監督である」という言葉が有無を言わさず出てきそうです。
そして、残念ながら、このような学校経営・教育経営に対する考え方が、「これまでの教育」を推進する基盤となり、教育改革を妨げている可能性があるという自省が欠如しているとしたら、教育は時代遅れの営みとなってしまいます。

時代が大きく変わろうとしているとき、これまでの教育経営に対するマインドがもはや古くなってしまっているということに気づかなければ、幾度となく矢継ぎ早に教育改革という手立てを打っても、目指すべき教育改革は成功しないのではないでしょうか。

経済界では、「経営とは」、顧客・従業員を幸せにするために何をしたらよいのかを考え、その実現を目指して活動することが経営だとの認識が「常」です。
予測できない状況変化をまえに、「うまくいかない」ことが当然の状況の中で、「うまくいく」ことを目指して、手腕を発揮し、成果を従業員や顧客と、課題を共有し、共にその改善に取り組むことが経営なのです。

その感覚を、教育現場の経営にも導入しなければ、学校教育が未来を創造することなどできません。学校が、教育成果として掲げる価値は、学校の教育レベルの向上だけではなく、社会にも貢献できる成果として、学校を支えてくれている家庭や地域社会にその成果を還元できなければ、学校経営を成し遂げたとは言えないのです。

残念ながら、「いまを凌ぐ」という意識が、これまでにない新たな学校経営を創りださなければならないという切迫した危機的状況への対応力を弱め、取り組むべきことを曖昧にし、「教育が直面している急迫の危機」への感度を鈍らせています。

「いまを変えることでしか危機を乗り越えられない」との思いを、教育現場から問い続け、その実践を発信し続けなければ、いずれ公教育は崩壊してしまいます。
「公」という冠をいただいた(被った)「公教育」が、いま何をすべきかを問い、いまできることを実行に移さなければ、教育の未来も、子ども達の未来も創り出すことはできないのではないでしょうか。