日本教育デザイン学会 ーJEDIー

企業経営から学ぶ  ー トップの責任②ー


教育委員会の在り方が変わり、いよいよ4月から「新教育長の任命」、新たな「教育総合会議」の設置など、経過措置を伴いながらも、これまでの教育行政の在り方が大きく変わる県や市町村が多いと思います。

今回の教育委員会改革は、滋賀県大津市の「いじめ事件」を発端として、学校の設置責任者である首長と、教育の実施責任者である教育委員長・教育長の責任が曖昧であるとの指摘を受けて、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が施行されることによるものです。

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これまでにない大きな制度変更であり、新制度の発足により各県市町村の教育がどのように変わるのか今後注目していく必要があります。

特に、新教育長が教育行政の代表者となり、最終責任が明確になることは重要なことです。教育行政の責任者が明確になり、教育行政のますますの有用性・有効性が期待されています。
その一方、新制度によって、「教育総合会議」での論議を経つつも、首長の強い意向を受けた教育施策が展開される可能性も高まることが考えられます。
子供たちの教育に直接携わっている学校と、教育総合会議や新教育長とが連携し、一体となって子供たちの未来に向かって教育が推進されることが不可欠です。

「ノブレスオブリージュ」という言葉があります。
その意味は次のようです。

分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」との意味。

教育という営みは、さまざまな立場の人々が子供の未来へ思いを寄せ合いながら、「教育という一枚の布」を織りなすように取り組むことで成り立っています。それは、子供たちを含め、関わっているすべての人々が、それぞれの色合いを醸しだし、互いに関連し合いながら、時に縦糸となり、時に横糸となりながら紡ぎ出す「未来を包み込むような可能性と温かさに満ちた布」を織りなすような営みではないかと思います。

新しい教育委員会制度が、真に子供たちの未来を創造することに成果を発揮することを願うと共に、教育の方向性を決定する権限を持っている人々が、教育行政的手腕を発揮するだけではなく、教育的な手腕を発揮し、「ノブレスオブリージュ」という言葉にふさわしい信念と熱意を持って、各学校の指導や支援に当たることを願ってやみません。