日本教育デザイン学会 ーJEDIー

「これから」を創造する!

『これまで』に拘らず 『これから』を創造する!

 社会が急速に変わり始めています。

 新たな職業が次々と生まれ、人々の働き方も変化してきています。また、スマートフォンに代表されるように、人々は小型のコンピュータを常時携帯し、ウェラブルコンピュータの出現も目の前まで迫ってきています。教育現場に、タブレット端末等が導入され、どの学校でも子どもたちが一人一台の情報端末を持って学習する姿が見られる日はそう遠くありません。  
 でも、小中学校の教育は、時代の変化に応じて変わる準備ができているのでしょうか。
 小中学校の教育は『次の時代を担う子どもたち』に、本当に必要な力を身につけるために自ら変化しようとしているのでしょうか。
 
 これほど激変した社会環境の中で、子どもたちに必要なもの、不足しがちなものも大きく変化しているはずです。
 「これまで」の考え方で、「これから」を維持しようとしても無理です。時代は,工業社会からネットワークを基盤とした「知識社会(知識基盤社会)」へと急速に変化しています。2011.3.11の東日本大震災後、新聞に「戦後から震災後へ!」という見出しとともに、大転換が必要だとの記事が掲載されていましたが、二年半が過ぎ、その思いは日に日に弱くなっているように思います。
 社会の至る所で歪みが深刻になっています。子どもの貧困率の増大、格差の拡大、虐待の増加など、子どもを取り巻く環境は悪化するばかりで、戦後の高度経済成長を実現してきた体制やシステムが時代の変化に対応しきれなくなり、それを維持しようとしている仕組みは限界を迎えています。しかし、学校は対応に追われ、残念ながら「これまで」の強化でさまざまな教育危機を乗り越えようとしたり、小手先の変革で課題解決を図ろうとしているのではないでしょうか。

 教育が多様な危機を抱えている現在、その解決は容易ではありません。しかし、「デザイン思考」で教育を概観してみると、解決の糸口が見えてきます。

 「デザイン」というと、工業社会で用いられていた「モノ」に関するデザインという意味を想像しがちですが、「デザイン思考」がめざしているデザインとは、工業デザインのようなイメージではありません。デザイン思考とは、「コト」をデザインし、その「コト」のデザインの中に「モノ」を組み込み、「ヒト」を幸せにするためのデザインという意味です。
これからますます大きく変化するであろう21世紀の知識社会を描写するキーワードは、「デザイン」です。それは教育においても同様であり、これまでとはまったく違った力が教育関係者に求められています。それが「教育をデザインする力」なのです。
 1980年、今から約30年前に未来学者アルビン・トフラーは「第三の波」(日本放送出版協会)を出版し、全世界で大きな反響を呼びました。その著書の中で、30年後の「未来社会」について述べています。
その三十年後が今なのです。情報革命が進み、知識基盤社会・知識創発社会が到来しています。これからの社会は、「これまで」の延長線上に答えを求めても答えのない社会です。農業社会、工業社会の影響を受けながら、知識基盤社会・知識創発社会は「これまでにない視点や発想」が求められる社会なのです。